測量成果検定に関するQ&A
全体編
測量成果の検定申込み等の事務手続きは次のとおりです。
- (1)検定の申込みには、以下の二つの方法があります。
- ①WEBによる方法 (ユーザー登録(初回のみ)すると次回以降の入力が簡単になります)
日本測量協会ホームページの「検定」タブの「Webによる検定申込」
(https://www.jsurvey.jp/5-5.htm)または「測量成果検定」
(https://www.jsurvey.jp/5-2.htm)ページの末尾にある「WEBによる検定受付について」で、画面に従い必要事項を入力してお申込みください。 - ②検定申込書の送付による方法
日本測量協会ホームページの「検定」タブの「検定申込書・検定料金一覧表」から該当する測量成果検定の申込書様式をダウンロードし、必要事項を記入して測量技術センターまたはお近くの支部技術センターへ、電子メールまたはFAXでお申込みください。
- ①WEBによる方法 (ユーザー登録(初回のみ)すると次回以降の入力が簡単になります)
- (2)成果品等の搬入と検定契約書の作成
申込み終了後、成果品等は持込みまたは宅配便(元払い)でお送りください。検定担当者は、検定数量や検定期間の確認を行い、測量成果品検定業務委託契約書(2部)を郵送しますので、到着した契約書に測量作業機関の代表者の押印後1部返送してください。 - (3)検定証明書と請求書の発行
検定終了後は、測量成果検定記録書を付した検定証明書を発行し、請求書を添えて郵送します。お預かりした成果品等は、証明書等とは別便で返却します。 - (4)検定料金のお支払い
請求書が届きましたら、30日以内に指定の銀行口座へお振り込みください。
- 「測量成果検定記録書」は検定証明書と対になる書類で、検定時に見つかった指摘事項等の内容を一覧表形式に記載して発行します。
日本測量協会ホームページの「検定」タブの「検定料金表・検定申込書一覧」(https://www.jsurvey.jp/5-4.htm)にある各検定の「検定料金一覧表」をご覧ください。この料金表に記載のない成果検定につきましては、別途お問い合わせください。
- 検定料金は年度ごとに改定されます。例年、年度当初の4月に、日本測量協会のホームページで公表しますのでご確認をお願いします。
電子納品成果の検定も行っています。
検定は、フォルダやファイルが電子納品要領に則って作成・格納されているか確認を行います。
- 数値地形図における電子納品の成果検定は、①数値地形図の検定が全数であること、②数値地形図の検定と併せて申し込みがあった場合とさせていただきます。「電子納品の成果検定のみ」の場合は、ご注意ください。
基準点・水準測量成果編
成果品等を受け取り後、検定を行っていきます。計算結果に係る問題等が発生していなければ、そのまますべての簿冊の検定を進めます。
指摘があるときは、当該指摘事項を記した付箋紙を貼り付けた状態で成果品等をご返却します。測量作業機関は、付箋紙の指摘事項等について確認し、修正等の処置を行い、再度成果品等を提出してください。検定者は処置内容を確認し、特段の問題がなければ検定終了となり、測量成果検定記録書を付した検定証明書を発行し成果品等をご返却します。
- 検定は社内検査代行ではありません。
検定提出前に測量作業機関で十分な社内検査を行ってください。
検定途中で計算結果に関わる大きな問題が見つかった場合は、その時点で検定を中断します。測量作業機関は、再計算等の処置を行ってください。また、作業規程の準則に規定されていない方法で観測を実施し、測量計画機関と協議がされていない場合も同様に検定を中断します。測量作業機関が再測や測量計画機関と協議するなどの処置がとられた後に検定を再開します。
指摘事項の修正に時間がかかった場合でも契約書を変更しなくて済むよう、契約書に記載する検定期間は実際の検定に必要な期間よりも長めに設定させていただいています。
検定期間は概ね1か月を見込んでいただきますが、検定数量や検定する時期により前後する場合がありますので、お申し込み時にお問い合わせください。
なお、特段の問題がなく検定を終えた場合は、契約した期間よりも早く成果品をお返ししています。
検定を受ける成果品等は、社内検査が終了(赤検符済み)した原本を、各簿冊ごとにまとめてください。
検定には、以下の測量成果等を提出してください。
- ・測量成果品(作業規程の準則に規定される成果等)の全部
- ・特記仕様書、製品仕様書の写し
- ・既知点の成果表
- ・測量機器等の検定証明書
- ・公共測量実施計画書に対する助言文書
- ・測量計画機関と協議した記録書
- ・その他関係書類
必要に応じ、日本測量協会の検定担当者から連絡いたします。
測量成果品等のとりまとめが終了した地域から順次検定にご提出いただいても問題ありません。
もちろん相談や質問をお受けしています。
測量成果のとりまとめ方以外にも作業着手前の作業計画(平均計画図や観測計画等の作成)から、観測、計算まで疑問点がありましたら、測量技術センターまたはお近くの支部技術センターへお気軽にお問合せ・ご相談ください。
技術センター名 |
電話番号 |
住 所 |
---|---|---|
測量技術センター |
〒300-2657 茨城県つくば市香取台B45街区1画地 |
|
北海道支部技術センター |
〒062-0921 札幌市豊平区中の島1条4-9-2 北海道測量会館4階 |
|
東北支部技術センター |
〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡5-1-12 仙萩ビルディング6階 |
|
関東支部技術センター |
〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー5階 |
|
北陸支部技術センター |
〒939-8094 富山市大泉本町1-12-14 測量会館 |
|
中部支部技術センター |
〒460-0008 名古屋市中区栄4-15-23 ライオンズマンション久屋公園1211 |
|
関西支部技術センター |
〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1-2-7 あべのメディックス315 |
|
中国支部技術センター |
〒730-0042 広島市中区国泰寺町1-3-29 MRRデルタビル2階 |
|
四国支部技術センター |
〒760-0067 高松市松福町2-15-24 香川県土木建設会館2階 |
|
九州支部技術センター |
〒812-0013 福岡市博多区博多駅東3-13-21 エフビルウィング4階 |
測量の観測値に対する計算結果、作業規程の準則に規定された許容範囲等の設定値、各種計算過程において、計算値や転写・転記したものが正しいかを確認する行為が検符を打つ目的です。測量作業機関では、二つの検符を打ちます。
先ず、黒色の検符(通常は鉛筆を使用)をその値を観測・計算した人が再確認しながら打ちます。
次に赤色の検符(赤インク)をその業務の責任者(作業班長や主任技術者等)が転写・転記や計算過程に誤りがないか、さらには所定の精度が確保されているかを点検して打ち進みます。黒色の検符の上位置に赤色の検符が打たれることになります。
測量成果の検定において、日本測量協会では茶色のインクを使用して、成果品全般について観測や計算及び成果品の整理が適正に行われたかを第三者の目で点検し検符を打ちます。こうして、厳正な検定を実施し、品質が確保されていることを確認して検定証明書を発行します。
また、測量計画機関の監督員が検符を打つ場合があります。監督員がチェックした箇所は、日本測量協会の検定で再度チェックすることはありません。
使用する既知点の成果が、検定を受けたか、受けていないかの問題ではなく、既知点として使用する基準点が、当該測量を実施する際に、後続作業に必要な測量精度(作業規程の準則に規定されている精度)を有しているかが重要となります。
既知点として使用する基準点が公共測量の手続きが行われ、公共測量成果として認められているかどうかを確認してください。
確認するには、国土地理院ホームページの「基準点成果等閲覧サービス」(https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/)で、その基準点が表示されれば公共測量成果として登録されています。
公共測量成果として登録されていない基準点を当該測量に使用する場合は、測量計画機関に判断をゆだねることになります。その判断で了解が得られた場合にのみ測量成果の検定を実施します。なお、測量計画機関の判断内容は、打合せ記録簿等に記録しておく必要があります。
作業の実施にあたっては、公共測量の手続きを行い、公共測量実施計画書に対する助言を尊重し適切な対応をお願いします。
検定証明書には新点数のみを記載します。しかし、新点と同様な成果表や点の記が必要な節点の場合、新点と同じ検定内容が必要です。このため、設置点数が多い測量で節点数が新点数の5割を超える場合は、別途検定依頼機関との協議により検定料金を決めています。
- 節点とは、基準点間の視通が確保できない時などに、その中間に設置する一時的な点です。
他社が行っている業務で完了していない基準点成果を使用する場合は、計算過程で暫定成果として取り扱います。従って、 既知点として使用した成果値に変更が生じた場合は、関係する測量計算はすべて再計算となります。
検定証明書は他社の成果検定終了後に発行することになります。
- もし一つのブロックで計算誤りがあると他のブロックにも影響してしまいます。より入念な社内検査を心掛けてくださいね!
水準測量の観測値の記録は、動作の結果が正しいと確認された水準測量作業用電卓からの出力データもしくは手書きによる手簿で行います。これは、安易なデータの改ざんを避けることにあります。よって、これ以外の方法の場合は打合せ記録簿等により測量計画機関の承認を得ておく必要があります。
- タブレットやPC等を使用して現地で観測値を入力して記録する場合も必ず事前に測量計画機関の承認を得てください。
河川両岸で水準基標測量・定期縦断測量等を実施した場合の成果検定数量は、作業範囲の河心延長ではなく、実際両岸で実施する水準測量の総延長が検定数量となります。
地図成果編
数値地形図の成果検定は、提出された数値地形図データファイル(出力図)による目視検定と数値地形図データファイル(DMデータ)による論理検定の二つの工程があります。
数値地形図データ等成果検定フロー まず数値地形図データファイル(出力図)の内容の過不足及び地図表現が作業規程の準則、図式等に規定されているとおりに作成されているかを目視検定を実施し、出力図に指摘箇所を記載したものをご返却します。
測量作業機関は、指摘箇所を確認・修正し、結果を反映させた数値地形図データファイル(DMデータ)を提出してください。論理検定を実施し、書式、構造について確認し、指摘箇所の資料とDMデータをご返却します。
論理検定は、エラーが無くなるまで繰り返します。エラーが無くなったことを確認した時点で検定終了となり、検定記録書を付した検定証明書等を発行し、成果品等をご返却します。
なお、論理検定への数値地形図データファイル(DMデータ)提出の際には、国土地理院の「公共測量ビューア・コンバータ(PSEA)」
(https://www.gsi.go.jp/KOUKYOU/sokuryosidou41021.html)をダウンロードして事前にデータチェックをしていただき、エラーを修正いただいたデータを提出いただけると幸いです。実施していただくことにより検定の効率があがり、ご返送が早まります。
また、測量計画機関の仕様や指示により、作業規程の準則付録7公共測量標準図式と取得基準や分類コード等が異なる場合は、データ提出時に関係資料等を併せて提出してください。
数値地形図等の検定には、以下の測量成果等を提出してください。
ここでは標準的な仕様で測量を実施した場合について、作業の中で作成される資料等を記載していますので、仕様が異なる場合やここに記載のない測量種別、未作成の資料については検定申込時にご相談ください。
また、これらの測量成果等のほかに特記仕様書(地上レーザ測量・UAVレーザ測量については要求仕様を含む)及び製品仕様書、さらには、公共測量実施計画書に対する助言文書も必要となります。
【地図情報レベル500数値地形図の場合の提出成果等】
(TS等現地測量による場合)
- 数値地形図データファイル出力図(目視検定用)
- 数値地形図データファイル(論理検定用、DM形式)
- 現場写真及び撮影方向を表示した地図
- 基準点成果表及び点の記
- 補備測量の結果
- 発注者による校正図
- 社内検査図
- 精度管理表及び品質管理表
- 図郭割図、図式及び図式等に係る打合せ協議書
- その他参考となる資料(管内図、注記記載に使用した資料等)
(地上レーザ測量による場合)
上記、 TS等現地測量の提出成果等の他
・標定点測量記録
(UAVレーザ測量による場合)
- 数値地形図データファイル出力図(目視検定用)
- 数値地形図データファイル(論理検定用、DM形式)
- 図化素図(等高線版)(山地部で主として等高線だけの図面については不要)
- UAVレーザ用数値写真、反射強度画像や陰影図
- 現地調査写真や現場写真(出力画像及びオリジナルデータ)及び撮影方向を表示した地図
- 現地補測図
- 発注者による校正図(注記資料図を含む)
- 社内検査図
- 基準点成果表、点の記及び基準点配点図
- 精度管理表及び品質評価表
- 図郭割図、図式及び図式等に係る打合せ協議書
- その他参考となる資料(管内図、位置図、注記記載に使用した資料等)
【地図情報レベル2500数値地形図の場合の提出成果等】
(空中写真測量による数値地形図・数値地形図修正の場合)
- 数値地形図データファイル出力図(目視検定用)
- 数値地形図データファイル(論理検定用、DM形式)
- 図化素図(等高線版)(山地部で主として等高線だけの図面については不要)
- 現地調査写真
- 現地補測図
- 発注者による校正図(注記資料図含む)
- 社内検査図
- 基準点成果表、点の記及び基準点配点図
- 簡易水準測量成果表及び刺針写真(実施された場合)
- 精度管理表及び品質管理表
- 図郭割図、図式及び図式等に係る打合せ協議書
- その他参考となる資料(管内図、路線図、河川図等)
道路台帳平面図については路線網図、調書平面図等
【数値写真の場合の提出成果等】
- 数値写真データ(HDD等への格納)または出力紙(普通紙A4判)
- 撮影コース別精度管理表
- GNSS/IMU解析結果精度管理表
- EOファイル(撮影時の外部標定要素)
- 撮影記録
- 撮影計画コース図
- 標定図
【写真地図(デジタルオルソ)の場合の提出成果等】
- 下記の項目を表示した写真地図データファイル(HDD等)または出力図
・基準点・調整点(出力図では赤丸等)
・モザイクライン(出力図では赤線等) - 基準点の点の記
- モザイクラインデータ(シェープファイルもしくはdxfファイル)
- 写真地図作成精度管理表
- 図郭割図
- 使用した空中写真の撮影要素(撮影記録簿等)
なお、詳しくは、日本測量協会ホームページの「検定」タブ「検定料金表・検定申込書一覧」の「測量成果検定(地図)」欄右「検定料一覧表」をご参照ください。料金表の該当する測量種別(青字)をクリックすると成果検定時に必要な測量成果等を閲覧することができます。
抽出検定では全域の品質は確保できません。 数値地形図は図葉ごとに内容が異なりますので、抽出検定ではその部分のエラーは解消されますが、それ以外の未検定部分ではエラーが多く残っていることが考えられます。このようなデータを2次利用しようとした場合、不整合が発生する場合があります。そのために多くの経費と時間を浪費することにならないよう、全域の検定をされることをおすすめします。
- 全域の検定を受けることで、納品する数値地形図の成果全体の品質を確保することができます。
ぜひとも全数検定をご検討ください。
狭い面積の数値地形図も検定を行っています。検定料金については、合計額が20,000円に満たない場合は、20,000円(税別)が最低料金となります。(検定料金は令和6年4月1日現在)
面積、対象の地域(都市部か山間部か)及び地図情報レベルの組み合わせで異なりますが、地図情報レベル2500、都市部、3.0k㎡の場合、検定成果を受領後、概ね1~2週間程度かかります。
ただし、指摘箇所が多かった場合や申し込みが増加する繁忙期では、それ以上の日数を要することがあります。
データ仕様等は、仕様書や要求仕様(測量計画機関作成)によります。成果検定時には、提出いただいた仕様書等を踏まえて検定を実施します。
測量検定には、以下の測量成果等を提出してください。ここでは標準的な仕様で測量を実施した場合について、作業の中で作成される資料等を記載しています。
なお、検定に必要な測量成果品等は、日本測量協会ホームページの「検定」タブの「検定料金表・検定申込一覧」から測量成果検定(地図)欄右「検定一覧表」の該当する測量種別(青字)をクリックしていただいても閲覧できます。
【UAV搭載型レーザスキャナを用いた三次元点群データ作成】
〇計画段階で提出いただく資料
- 仕様書等(特記仕様書等)
- 計画図(調整点、検証点が記載された計画図等)
- キャリブレーション記録簿(UAVレーザシステム点検記録)
- UAVレーザシステム精度試験記録簿
〇検定時に提出いただく資料(上記で提出済みのものは除く)
- 成果品要求仕様書
- 成果品作業仕様書
- キャリブレーション記録簿(UAVレーザシステム点検記録)
- UAVレーザシステム精度試験記録簿
- 飛行・計測諸元計画表
- 調整点配点図
- 調整点明細表
- UAVレーザ計測記録簿
- 固定局明細表(電子基準点以外の固定局使用時)
- GNSS/IMU解析結果精度管理表①または②
- コース間点検精度管理表
- コース間点検箇所配点図
- オリジナルデータ均一度点検表
- 調整点点検精度管理表(標高・水平位置)
- 点密度点検精度管理表
- 検証点配点図(検証点を設置した場合)
- 検証点明細表(検証点を設置した場合)
- 点検測量結果精度管理表
- オリジナルデータ(テキスト形式(CSV形式)またはLAS形式等、仕様に基づく形式)
- その他の成果データ等(データ形式は上記に準ずる) グラウンドデータ 、グラウンドデータ作成作業精度管理表、グリッドデータ、グリッドデータ作成作業精度管理表、等高線データ
- 調整点、検証点の測量記録、精度管理資料やその他参考資料等
(測量記録の内、調整点等が既設点や検定済みの場合は、当該点の成果表)
ここに掲載されていない提出成果等につきましては、検定担当部署にお問い合わせください。
すべての三次元点群測量手法に共通するものとして、帳票の誤字・脱字・記入漏れの他、特に他帳票との整合にご注意ください。また、三次元点群データの検定では、フィルタリングの不良や等高線交差等が多く見受けられる傾向がありますのでご注意ください。
三次元点群測量の検定における注意点を日本測量協会ホームページの「業務紹介動画(三次元点群測量動画」)https://jsurvey.jp/3Dpoint/ にまとめてありますので、ご参考ください。
日本測量協会では、測量成果検定以外に以下の検定等を実施しております。詳細はホームページを参照ください。
■測量機器検定
https://www.jsurvey.jp/5-1.htm
■民間等電子基準点の性能検定
https://www.jsurvey.jp/5-6.htm
■カメラキャリブレーションサービス
https://www.jsurvey.jp/7-2-2.htm
■電算プログラム検定
https://www.jsurvey.jp/5-3.htm