実験は、高精度にGPSアンテナを水平移動できる装置(写真:XYステージ)を独自開発し、GPSアンテナを東西・南北の各方向に5o毎に強制変位させて、その変位量を正確に検出できるか検証いたしました。
強制変位(赤線)と解析結果値(青線)の較差は、1〜3o以内で、本システムの検出精度の高さが実証されました。
変位検出精度の実証実験(平成20年12月)
強制変位グラフ(上図 南北、下図 東西)
赤線(強制変位(真値))、青線(システムの解析値)
実験に用いたXYステージ
本システムが捉えた地殻変動(国土地理院解析値との比較) |
本システムは、有珠山火山噴火活動(平成12年3月〜4月)における電子基準点観測データを利用した実証実験において、下図のとおり地殻変動を捉えることができました。
(国土地理院殿の解析結果との検証を行った結果、よく合致することが確認されました。上図は国土地理院殿の解析結果、下図は本システムで解析した結果)
国土地理院殿の解析結果(出典国土地理院HP)
本システムの解析結果(24時間解析)
有珠山周辺の基線図(出典国土地理院HP)
平成12年
3月27日 午後〜 地震が徐々に増加。
3月28日 1時31分頃〜 有感地震が発生し始めた。
3月29日 緊急火山情報の発令
伊達−虻田、壮瞥−虻田、伊達−壮瞥の3基線に約1pの伸び。(マグマの上昇)
3月30日〜31日 山頂部や北西山麓に断層や地割れが生じ、次第に発達拡大。
3月31日 13時07分地震活動のピークを過ぎた頃、西山西麓からマグマ水蒸気爆発。
火口周辺に噴石を放出。
伊達−虻田、壮瞥−虻田、伊達−壮瞥の3基線に約2pの縮み。(マグマの沈降)
4月1日11時30分頃 金比羅山から新たな噴火活動。
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