測量技術に関するQ&A
全体編
点検測量は測量の正確さを確保するため精度管理の一環として測量作業機関が実施する測量で、その実施率が定められています。
下表を参考にしてください。
測 量 種 別 |
率 |
適 用 |
---|---|---|
1・2級基準点測量 |
10% |
観測点数または平均図の辺数 |
3・4級基準点測量 |
5% |
|
電子基準点のみを既知点とする 3級基準点測量 |
10% |
|
レベル等による1~4級水準測量 |
5% |
観測距離 |
レベル等による簡易水準測量 |
5% |
|
GNSS測量機による水準測量 3級水準測量 |
10% |
観測点数または平均図の辺数 |
地形測量及び写真測量(数値地形図 データ作成) |
2% |
作成面積 |
地形測量及び写真測量(三次元点群 データ作成) |
5% |
|
線形決定 |
5% |
条件点間及びIP点間の辺数 |
中心線測量 |
5% |
中心点間の辺数 |
縦断測量 |
5% |
観測距離 |
横断測量 |
5% |
横断面数 |
水準測量の点検測量率は、観測距離の5%(往復観測)ですが、点検区間を多くするために、片道観測で10%を実施することもあります。監督員の指示に従い実施してください。
なお、点検測量率は、測量成果を第三者機関に依頼して行う成果検定の率ではありません。特に、地形測量及び写真測量の測量成果の検定では、点検測量率を誤解され測量成果の抽出検定を依頼される場合がありますが、測量成果の品質を確保するためには全数検定をおすすめしています。図面ごとに内容が違うため、抽出検定では全域の品質は確保できません。
基準点・水準測量成果編
成果品のとりまとめには、日本測量協会で発行している「ー公共測量ー作業規程の準則 基準点測量記載要領(基準点測量編)」「同(水準測量編)」、「公共測量成果検定における指摘事項事例集」をおすすめします。
「基準点測量記載要領」は基準点測量の記載方法、点検箇所、とりまとめの事例やポイント解説等も含めて詳しく掲載しています。
「指摘事項事例集」は、日本測量協会で長年にわたる検定実績をもとに、基準点測量及び水準測量の成果検定における主な指摘事項等をとりまとめたものです。不適切な事例について何が良くないかを示すとともに、改善策が掲載されています。成果品のとりまとめに、測量成果の品質向上・品質確保の一助として、是非お手元に置いてご利用ください。
また、「作業規程の準則 解説と運用」も日本測量協会で発行しているものですが、作業規程の準則のそれぞれの条文について解説するとともに公共測量に関連する情報を詳しく説明しています。こちらも参考にされるとより基準点測量の理解が深まるものと思います。
作業規程の準則には平均図などいくつかの図の作成について規定されています。それらの図について紹介します。
【平均計画図】
平均計画図は、基準点測量を実施するにあたり既設基準点の配置状況等により地形図上で新点の概略位置を決定し、作業規程の準則に規定されている路線長や路線図形を考慮した理想的な形で作成した計画図面です。
測量計画機関は、公共測量を実施しようとする場合は公共測量実施計画書を国土地理院長に提出し、技術的な助言を求める必要があります。この実施計画書の付図として、平均計画図を添付します。
【選点図】
選点図は、既設基準点の現地踏査及び新点位置の選点結果に基づいて作成します。選点図には、新点、既知点間等の視通を確認して視通線を記入していきます。
【平均図】
選点の結果により、既知点の履歴及び保全状況を考慮し、作業規程の準則に規定される作業方法を満足する網の形、観測の実施状況等を総合的に判断して作成します。なお、この平均図は精度確保に最も重要なものであるため、監督員の承認が必要です。背景図のないもので作成します。
【観測図】
承認された平均図に基づき、測量機器の台数や人員の確保等を考慮して、偏心点を含む実際の観測計画図として作成します。観測の順序や機器の配置等を観測前に作成し、観測現場に持ち歩くことで観測手順を従事者全員で把握し、観測もれや無駄な観測を防ぐことができます。背景図の有無については特に指定はありません。
【基準点網図】
測量計画機関が管理地域における基準点全体の配置状況や設置方法を把握し、今後の維持管理等に役立てるために作成する図です。公共測量の場合、背景図の上で当該測量について平均図と同じ内容で作成し、下段に作業年度、作業種類、座標系番号、測量計画機関、測量作業機関名を記入します。
電子基準点を既知点として実施する基準点測量では、電子基準点成果表の楕円体高を使用してください。
電子基準点と公共基準点を既知点とした基準点測量において、三次元網平均計算の与件に標高を使用した誤った計算が行われている事例が見られます。電子基準点は成果表の楕円体高を与件とし、公共基準点は成果表の標高とジオイド高(国土地理院が提供する最新ジオイドモデル)から楕円体高を求め、与件として三次元網平均計算を行ってください。電子基準点の標高とジオイド高から求めた楕円体高を使用した場合は再計算となります。
なお、GNSS水準測量では、標高が重要になるため、電子基準点(「標高区分:水準測量による」に限る)の標高とジオイド高から求めた楕円体高を与件としますので、使用にあたり注意してください。
- (1) 既知点の楕円体高は「成果表記載の標高+最新ジオイドモデルで求めたジオイド高」で算出します。
(2) 電子基準点を既知点とする場合は「成果表記載の楕円体高」を使用します。ただし、GNSS水準測量で電子基準点を既知点とする場合は(1)の方法で楕円体高を算出します。
点検測量の実施率については、Q1をご覧ください。
点検測量は、所定の観測を終了し、作業地域の計算結果がすべて許容範囲内であることを確認したのち、測量の正確さ及び精度管理の確認のために実施します。どの箇所を実施するかについては、監督員の指示によるものですが、GNSS測量の場合、基線解析結果のデータ棄却率が高い基線、点検計算の較差が大きい基線などを選んで実施すると良いでしょう。
所定の観測終了後、あるいは1測点の観測終了後に続けて点検測量が行われていることも見られますが、これは本来の点検測量の趣旨と異なりますので止めてください。
なお、点検測量の結果は採用値と比較し、精度管理表にとりまとめてください。
点検測量は、観測の時間帯や器械高、あるいは観測者を代える等をして観測を行い、同様の結果であるか、また、点検値と採用値の較差から再現性の確認を行い、採用値の信頼性と妥当性を客観的に評価する作業です。よって、作業規程の準則には点検測量を実施した際の許容範囲についての規定はなく、許容範囲は測量計画機関が定めることになります。
点検測量の結果、測量計画機関が示した許容範囲を超えた場合は、測量作業機関は、点検測量を追加するなど原因を究明しておく必要があります。点検測量の結果を測量計画機関に報告し、指示を仰いでください。
- 点検測量の許容範囲を受発注者間の打合せ協議により決定した場合は、必ずその内容を打合せ記録簿に記載し、成果検定時にもご提出ください。
電子基準点のみを既知点とした基準点測量を実施する際の注意点は以下のとおりです。
- ① 国土地理院に測量成果の使用申請書を提出する際に「使用する測量成果の種 類及び内容」の欄に、使用する電子基準点名と地殻変動補正パラメータとの記載が必要となります。
- ② 観測に使用する衛星数は、観測方法、衛星の組み合わせ及び基線長( 10㎞以上か未満か)により異なります。
- ③ 基線解析では、使用したアンテナに対応するPCV補正データを使用してください。
ただし、電子基準点のPCV補正データは、国土地理院の「電子基準点PCV補正データ」を使用してください。 - ④ セミ・ダイナミック補正に使用する地殻変動補正パラメータは、測量実施時期に対応したものを使用してください。
- ⑤ 点検計算に使用する既知点の緯度、経度及び楕円体高は、今期座標を使用してください。
- ⑥ 新点の標高は、国土地理院が提供する最新のジオイド・モデルにより求めたジオイド高を用いて、楕円体高に補正してください。
- 電子基準点のみを既知点とした基準点測量は、現地の既知点にGNSS測量機を設置しなくていいので、効率的だね。
基準点の管理は各測量計画機関で実施します。基準点の名称については監督員と協議してください。4級基準点と4級水準点を兼用する場合には、4級基準点成果表の備考欄に「4級水準点兼用」と記載し、標高右隣に「(直接水準による)」と記入してください。4級基準点測量で得られた標高がある場合は、特に監督員から指示がない限り、4級基準点測量の標高は記入せず、4級水準測量の標高のみを記入してください。
- 標高を直接水準で求めた場合は、必ずその旨を成果表に明記してくださいね。
該当する機能を備えているレベルでは必ず実施してください。
水準測量で使用するレベルの種類には、気泡管レベル、自動レベル、電子レベルがあります。
気泡管レベルは円形水準器及び主水準器軸と視準線との平行性の点検調整を行い、自動レベル、電子レベルは、気泡管レベルの点検調整に加え、コンペンセータの点検を行います。これは、望遠鏡の多少の傾きに関わらずコンペンセータが正常に作動するかどうかを確認するためです。レベルを水平状態(円形水準器の気泡が中央にある状態)と傾斜させた状態(円形水準器の気泡を同心円マークに内接させた状態)で観測を行い、許容範囲内にあるかどうかを点検します。点検は、気泡位置が視準方向及び視準方向に直角位置の二つの傾斜位置について行います。
観測の方法や読定値の記載については日本測量協会が発行している「公共測量作業規程の準則 基準点測量記載要領(水準測量編)」等を参考にしてください。
点検調整は観測着手前に実施し、1級水準測量及び2級水準測量では、観測期間中おおむね10日ごとに行います。短期間の測量の場合は仕様書等を確認のうえ、測量計画機関と協議してください。
作業規程の準則にはレベルの点検調整における読定単位も規定されています。例えば2級レベルの場合、読定単位は0.1mm単位です。点検調整ではない本観測での読定は1mm単位であるので、点検調整でも同様の読定単位で行っている例が見られます。注意してください。
- レベルの点検調整は水準測量の観測精度確保に関わる重要な作業です。必ず実施してくださいね!
水準測量は、水準点間の往復観測の較差を観測の良否の目安とし、往復差が許容範囲を超えた場合は観測不良として再測を実施します。水準点間の距離が長い場合や高低差が大きい場合は測点数も増えますが、固定点を設けない観測で往復差の許容範囲を超えた場合は、水準点間全部の再測を実施することになります。
水準点間に固定点を設けることによって、水準点間の往復差が許容範囲を超えた場合は、固定点間で許容範囲を超える区間のみを再測し、再測区間及び水準点間が許容範囲に入れば良いことになります。水準点間が許容範囲内でも、固定点間で許容範囲を超える場合が稀にありますが、この場合も固定点間の再測を実施します。固定点は8測点から10測点を目安に設け、往路、復路の観測に共通して使用します。
- 水準測量は、水準点間の観測は必ず偶数回で行わないといけません。水準点~固定点、固定点~固定点についても同様に必ず偶数回で観測してください。
1級水準測量の場合、往復観測値の較差の許容範囲は2.5mm√Sです。Sは観測距離です。これらの許容範囲は、1/100mm以下の数値はすべて切り捨てで求めます。許容範囲を超えた場合は再測を実施しますが、1級及び2級水準測量の場合は高精度が要求されるため、系統的誤差を避けるため、往または復観測の同方向だけの観測値に符号を反して採用することはできません。再測の結果、異なる観測方向(往または復)の観測値と比較して許容範囲を満たさない場合は、再度、反対方向の再測を実施してください。
- この図のように再測後、同方向観測値の符号を反して採用する方法は、3~4級水準測量では認められていますが、1~2級水準測量では採用することはできません。
4級水準測量に使用する水準標尺(2級標尺以上)は、レベルと同様に測量機器の検定が必要です。レベルは1年以内、標尺は3年以内に検定を行った機器を使用することが作業規程の準則に規定されています。測量成果品の諸資料簿に検定証明書の写しを綴じてください。
- 等級に関係なく公共測量の水準測量に使用する水準標尺は、測量機器検定を受ける必要があります。
観測時期に合うように測量機器の検定日を遡ることはできません。
測量計画機関と協議して対応してください。
GNSS測量機による水準測量で、観測距離が6㎞未満の場合は、直接水準方式による3級水準測量を行ってください。
- GNSS測量機による水準測量は、水準点が近くにない所では、経費の節約になるね。
地図成果編
数値地形図に表示する大字名や小字名等の居住地名は、 作業規程の準則付録7公共測量標準図式の第53条 (注記の原則)、第68条(居住地名)等によって注記します。基本的には、測量計画機関からの貸与資料や指示により表示することになりますが、事前調査の参考資料としては、国土行政区画総覧(公益財団法人国土地理協会)や住宅地図等も参考になるかと思います。
- 成果検定を受ける場合は、大字名や小字名等の記載根拠となった資料等も必ず検定資料としてご提出ください。
作業規程の準則には、「補備測量」「地形補備測量」「現地補測」について規定されています。それらについて紹介します。
【補備測量】
補備測量とは、TS等を用いた現地測量において道路や建物等の各種データを取得した後に編集した図形データについて、編集時に生じた疑問事項、編集が困難な事項、現地調査以降に生じた変化及び各種表現事項の誤り、脱落等を現地で補完する測量です。
【地形補備測量】
地形補備測量とは、地図情報レベル1000以下(地図情報レベル500、250等)の数値図化後において、標高点や等高線の精度を維持する必要がある場合や等高線の間隔をより詳細にしたい場合等に、測量計画機関が特に指定した区域について現地で補完する測量です。
【現地補測】
現地補測とは、数値編集後の編集済データにおいて、再確認が必要な重要事項、空中写真撮影後の経年変化及び図化時に判読が困難な事項等を現地で調査し、編集済データを補完する測量です。
数値地形図等の成果を検定する場合は、目視検定及び論理検定を実施していますが、その際に地図上の表現等で間違いやすいものを紹介します。まずは、数値地形図等データファイル(出力図)の目視検定における主な誤りの事例について紹介します。
【地図情報レベル500道路台帳附図】
ビーコン表示の向き、道路標識の向き、道路標識番号、矢印(進行方向)に対する信号機の表示位置、(L字型)側溝種別、側溝地下部、流水方向の表示などの誤記、脱落があります。
【地図情報レベル2500数値地形図】
主要道路・鉄道・重要な地物の注記の重複表示及び一般国道路線番号の字隔表示、線状対象物の注記表示、道路形状(隅切部)、車両通行可能な道路の歩道表示、行き止まりの道路縁表示、神社境内の道路表示、一条河川の坑口表示、公共施設や店舗等の敷地内駐車場記号表示、塀記号の短線の向きの表示、地物縁がない場合の駐車場の区域界表示、墓地の地物縁がない場合の表示、同一種類耕作地の耕地界表示などの誤記、脱落があります。
次に、数値地形図データファイル(DMデータ)の論理検定における主な誤りの事例について紹介します。 建物のデータタイプ(線・面)の取得誤り、隣接図面間での道路縁の不合、建物の階層線か中庭線かの区分の不明、同一形状の地物の重複、建物の外周線と棟割線のオーバーシュート、高塔のデータ取得方向の誤り、人工斜面等の上端線と下端線の不一致などがあります。
主な三次元点群データや数値地形図データの作成方法と特徴等について、測量種別等で整理すると次のとおりです。
【現地測量】
現地において4級基準点、簡易水準点またはこれと同等以上の精度を有する基準点に基づいて、TS等またはGNSS測量機を用いて、または併用して、地形、地物等を測定し、数値地形図データ(地図情報レベル250,500及び1000を標準)を作成します。
【地上レーザ測量】
地上レーザスキャナを用いて地形、地物等を計測し、取得したデータからオリジナルデータ等の三次元点群データ及び数値地形図データ(地図情報レベル250、500)を作成します。
【空中写真測量】
デジタル航空カメラで撮影した数値データからなる写真画像、及びフィルム航空カメラで撮影した空中写真フィルムに基づき数値化した数値写真を用いて数値地形図データ(地図情報レベル500、1000、2500、5000、10000を標準)を作成します。
【写真地図作成(デジタルオルソ)】
デジタル航空カメラで撮影した数値写真又は空中写真から空中写真用スキャナにより数値化した数値写真を、デジタルステレオ図化機等を用いて正射変換し、写真地図データファイル(地図情報レベル500~10000)を作成します。
なお、必要に応じて隣接する正射投影画像をデジタル処理により結合させたモザイク画像を作成します。
【UAV写真測量】
UAVとUAVに搭載したデジタルカメラにより、地形、地物等を撮影し、その数値写真を用いて数値地形図データ(地図情報レベル250,500)を作成します。
【UAV写真点群測量】
UAVとUAVに搭載したデジタルカメラにより、地形、地物等を撮影し、その数値写真を用い三次元形状復元ソフトを使用して、作成するオリジナルデータの位置精度の許容範囲により、0.05m以内、0.10m以内、0.20m以内のいずれかを標準として三次元点群データを作成します。
【UAVレーザ測量】
UAVに位置姿勢データ取得装置(GNSS測量機,IMU)及びレーザ測距装置を搭載し、地形、地物等を計測し、取得したデータからオリジナルデータ等の三次元点群データ(点密度 10~100点/㎡)及び数値地形図データ(地図情報レベル500、1000を標準)を作成します。
【車載写真レーザ測量】
車両に自車位置姿勢データ取得装置(GNSS測量機、IMU、オドメータ)、レーザ測距装置、計測用カメラまたは参照用カメラ及び解析ソフトウェアを搭載した計測・解析システムを用いて道路及びその周辺の地形、地物等を計測し、取得した写真・点群データから三次元点群データ(点密度 10~100点/㎡)及び数値地形図データ(地図情報レベル500、1000)を作成します。
【航空レーザ測量・航空レーザ測深測量】
航空機に搭載したレーザ計測装置を用いてオリジナルデータ等の三次元点群データを作成します。
作成する測量成果と経済性等を考慮し、その目的と効率性に応じて、作成方法を選択することになります。(格子間隔 0.5m以内~5m以内)
【地図編集】
既成の数値地形図データを基に、編集資料を参考にして、必要とする表現事項を定められた方法によって編集し、新たな数値地形図データ(地図情報レベル10000等の中縮尺図に利用)を作成します。
などの主な特徴があります。三次元点群データと地図情報レベルを考慮し、その目的と効率性に応じて、作成方法を選択することになります。
地図情報レベル250は、地図情報レベル500を準用することを標準としています。
公共測量標準図式に定められていない取得項目や分類コード、取得基準等については、測量計画機関と協議の上、図式、分類コード等を定めてください。
- 測量作業機関が勝手に図式等を決めて作業を進めてはいけません。必ず受発注者間で協議して決定し、決定内容は打合せ記録簿に明記するようにしてください。
成果品要求仕様書は、主に三次元点群測量において作成されるもので、測量計画機関が成果品の使用目的を明らかにするために、成果品の内容、種類、精度、点密度等の仕様を定めるものです。
成果品作業仕様書は、測量作業機関が作成するもので、要求仕様を満たす成果品を作成するために、全体の作業工程、 使用する測量システム、 標準的な計測諸元、調整点の設置場所・点数・観測方法、点検測量の方法などを定めます。
計測地区が複数に分かれる場合の調整点・検証点は、「最適軌跡解析を行う計測範囲ごと」に必要な点数を配置することが望ましいと考えます。
点検測量は、作業規程の準則第13条第3項で規定されているとおり、適切な精度管理を目的に作業の終了後速やかに実施することとされています。具体的な方法については、各成果の作成毎に実施する点検方法に基づきますが、特にUAVレーザ測量では作業規程の準則第464条にオリジナルデータの点検測量の記載がありますので参考にしてください。
なお、点検測量は、測量の正確さを確保するため精度管理の一環として測量作業機関が行う測量で、その実施率が定められています。点検測量率を誤解され測量成果の抽出検定を依頼される場合がありますが、特に地図成果の検定では、図面や地区ごとに内容が違うため、抽出検定では全域の品質は確保できないことから、品質を確保するためには全数検定をおすすめしています。
作業規程の準則第13条(精度管理)第1項では、「作業機関は、測量の正確さを確保するため、適切な精度管理を行い、この結果に基づいて精度管理表及び品質評価表を作成し、これを計画機関に提出しなければならない。」と規定しています。
精度管理は、標準様式にならって各作業の中間工程において実施し、それぞれ精度管理表を作成し、測量計画機関へ提出します。
品質評価は、製品仕様書に規定された品質評価手順に基づき、5つの品質要素(完全性、論理一貫性、位置正確度、時間正確度、主題正確度)を満足しているかどうかを評価するもので、その結果は品質評価表としてまとめ、測量計画機関へ提出します。
- 製品仕様書と品質評価表は対となる書類です。
品質評価の内容について製品仕様書上でしっかりと定義してくださいね!